モンマルトルのワイン
モンマルトルの丘の一角にはブドウ畑が残っていて、ここで収穫されたブドウを使った、知る人ぞ知る「パリ産ワイン」が存在する。毎年1,000本前後で限定生産されているそれは、ワイン好きのパリっ子にとってはちょっとしたレアもの。アルコール度数はワインにしては低めで、口当たりも軽やか。重厚な味を楽しむというよりは、大衆向けのテーブルワインと言ったところだが、これがなかなかどうして人気がある。皆、希少価値があるところに、その魅力を見出しているのだ。
喧嘩をしていたカップルも、「あのモンマルトルのワインを飲もうよ」とどちらからともなく言い出して仲直りし、両親の離婚によりバラバラで暮らしていた一家も、「年に一度はモンマルトルのワインを飲みに集まろう」と、収穫祭の時期に会う約束をする。
モンマルトルのワインは、パリで暮らす人々のちょっとした心のよりどころなのだ。
モンマルトルのブドウ畑/フランス・パリ
パリらしい、ロマンティックな街並みが広がるモンマルトル。
サクレ・クール寺院や画家たちが集うテルトル広場、石畳の道が続くアベス地区など、パリの中でも人気の観光スポットである。
そんなモンマルトルの一角に、ブドウ畑が残っている。毎年10月の第2週末に、その年のぶどう収穫を祝って3日間に渡って盛大なお祭りが行われている。
コラムの写真は10月に撮影したもの。夏、収穫前に実るぶどうを撮るのもよいかもしれない。
14-18 rue des Saules 75018 PARIS, フランス
≪アクセス≫
○Lamarck Caulaincourt駅。サクレクール聖堂の裏をラマルク・コーランクールの駅に向かって下っていくとある。