北海道車中泊の旅日記・03 一気に北上し、パーティーは3人に

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03 一気に北上し、パーティーは3人に
8/22(火)美瑛~稚内~利尻

22日、翌朝起きたら超がつくほどの土砂降りで1日が始まった。昨日の晴天はどこへやら、である。
同じ日に泊まっていた家族連れが、朝のうちに青い池に出かけると言ってたが・・・お気の毒。

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今回の宿で唯一、夕食と朝食の両方が付いていた給食室、朝ごはんもまた豪勢だった。 おばちゃんが近所の牧場に直接買いに行く朝の搾りたて牛乳もいただいた。市販のものと全然違って、甘くてコクがある。
あと、北海道はお米がとてもおいしい!2杯目もお代わりしてしまった。

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そういや昨日、スーパーで仕入れていた見たことない飲み物(おばちゃんも見たことないと言っていた)を朝食時に出してもらって皆で飲んでみたら、意外にもおいしかった。お子さまたちにも好評でよかった。
タングロン、やるな。正直、パッケージの見かけは全然おいしそうじゃないのに。
この日は稚内まで一気に移動するだけの日で、特に観光の予定はなかったのでのんびり準備し、朝9時頃チェックアウトした。
とても居心地よい宿だったと思う。ゲストハウスと比べると一見割高に思えるが、2食付きと考えるとリーズナブルだ。美瑛に来た時にはまた泊まりたい。

そして、結構な雨降りの中、一気に北上する。
天気も悪いし、特に寄りたいところもなく、また旭川近辺を経由してどんどん北へ向かう。 途中、国道を走っていると色んな町や村のカントリーサインがいっぱいで、水曜どうでしょうをほうふつとさせた。
印象的だったのは牛がざるで潮干狩りしているカントリーサイン。どこの町だったか・・・(※あとで調べてみたら、天塩町と判明した)

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この日はお昼ごはんを食べるお店がいまいち見つからず、途中の道の駅で食べたまんじゅうとトウモロコシでお腹いっぱいになったので、お昼は抜きにした。さらに移動中、小鳥をあやまって轢いてしまうという悲しくショックなことがあり、二人ともテンションだだ下がりだった。走行距離がラッキーセブン(777km)を突破したのはこの頃である。
ただ、どこも寄らずに稚内へ行ってしまうのもね、ということで、展望台に行ったものの、まだしょんぼり気味な私たち。会話も少なく、展望台の名前すら覚えていない。
その後、サロベツ原野の中を走れるみたいだよ、ということで行ってみたら、さっきまで雨を降らせていた雲が切れて、少しずつ晴れてきた!しかも雨上がりの後の太陽って、虹が出そう、と話していた矢先、本当に「虹だー!!!」急いで車を停めてシャッターを切る。
低くて平たい不思議な形の虹だった。
消えかかっていたのでiPhoneで、しかもわずかしか写らなかったけど、後にも先にも、旅で虹が見られたのはこの1回きりだったのでよかった。
重たい雲が少しずつ晴れてきて日が差してきたあの光景を見ていたら、勝手な言い分かもしれないけど小鳥の命を奪ってしまったことから何となく救われた気がした。
鳥さんごめんなさい。(その後、私たちは旅の終わりまで鶏肉を食べない、という誓いを立てる)

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この後、砂丘の駅とやらに寄ってみたけど特に砂丘を楽しめるという感じではなく、トイレ休憩だけして稚内へ向かう。
もうこの辺はオロロンラインという日本海側の海沿いの道で、晴れていたら気持ちよかったんだろうなあと思いながら運転する。(その後、帰りの稚内から南下する時一人で運転したけど気持ちよかった)

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稚内に近づいてきたあたりで、前の車のスピードがいやに落ちて、のろのろ運転になっていたのでなんだろう?と思ってよくよく見たら、道の脇で鹿がのんきに草を食べていた。 前の車はそれを撮っていたらしい。私たちも急いで降りたら、鹿たちはどうやらファミリーらしく、家族総出で草をはむのに忙しい様子。なんて自由な・・・お母さんらしき鹿は私たちの方をじっと見ていたけど、お父さんや子どもたちは意に介さずお食事に夢中だった。
それにしても、北海道の国道では鹿や狸の絵で動物飛び出し注意と書いてあるけど、この子たちは轢かなくて本当によかった。小鳥には申し訳ないけど、鳥くらいならそこまで車にダメージはないが、鹿なんて轢いた日には、下手したら廃車→旅の強制終了である。
そういえば一人行動していた時、キツネが轢かれてたり猫が転がってたりカモメが道で死んでたりと、結構色んなものの上を通過した。車社会の北海道では、日常茶飯事なのかもしれない。

この日の宿は、稚内の「北の宿」に決定。
もともと予定が決まっていなかったが、結局当初の予定通り23日に利尻島入りすることにしたので、稚内は普通の民宿を取る。すぐ隣が温泉施設だったので、割引チケットをもらってまた温泉に入った。完全に温泉づいている。
夜ごはんは、最初ノシャップ岬の海鮮丼を食べよう!と、夕日を見てから行ってみたら、最初通ったときは暖簾が出ていたのに着いたときにはなんと既にタッチの差で閉店していた。ガーン。
しょうがないので、稚内の繁華街で食べよう、とうろうろするも、どうやら団体客ばかりでどこも満席。はっきり言って、稚内の繁華街はこんなにさびれているのに何なんだ、このバイアスかかった混みっぷりは。

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海鮮気分を引きずっていたがどこもキャパオーバーの満席状態で、結局稚内でもラーメンを食べた。素朴な塩味が空腹にしみた。
翌朝のフェリーは10:50発でゆっくり出発なので、少し遅くまでワイン飲みながらテレビを見ていた。

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翌朝23日、北の宿についていた朝食をいただく。お味噌汁にホタテが入っている!なんという贅沢。美瑛の時も思ったが、お米がとにかくおいしい。
宿のおじちゃんはパンチパーマでちょっと見た目がこわもてだが、実は奥さんの方が立場が強そうで、想像するとちょっと愉快だった。
チェックアウトはしたものの、フェリーの出発までまだ時間があるので車だけ置かせてもらってその辺を散歩した。宿の裏にちょっとした山があって、どうやら歩けるハイキングコースがあった。しかもそこは鹿ファミリーの通り道でもあるらしく、鹿の糞がその辺にたくさん転がっていた。
廃墟になっている喫茶店などのお店もあって、写真撮影的におもしろいエリアだったのでもう少しうろうろしたかったけど、時間が迫ってきたので稚内のフェリー乗り場へ向かう。
ここで、ユリコさんと合流!
ユリコさんはヤマキさんのお友だちのイラストレーターで、旅の話をしていたらほぼ同じ時期に北海道の礼文・利尻に行こうと計画していることが判明し、これは合流して一緒に行っちゃおうよ!ということになった人である。こんな最北の地で合流するなんて、いや、合流できるなんておもしろい。
携帯がない時代はとうてい無理だっただろう。

ところで乗船手続きをしようとしたら、なんと前日予約した我が愛車の車長が、本来5m以下で登録しなければいけないところを間違って6m以下で予約していたらしく、登録修正しないと乗船できないとのこと。ええー!! 大は小を兼ねるとかないのか!と思ったが、急いで車に戻って借りていたポケットWiFiを立ち上げ、何とか車長の登録を変更した。これまでせっかく借りていたポケットWiFiだったが、行く先々の宿で全てWiFiが完備されていて借りた意味なかったか、とさえ思ったが、この時ばかりはポケットWiFiがあって助かった。まあ港のWiFiがもしかしたらあったかもしれないが、動転していたので探す余裕もなかった。

また、フェリーの車乗船時はドライバー一人だけなので、私だけ車で乗船し、二人は一般乗船から乗ってもらう。稚内から利尻までは約2時間で、去年行った礼文島とかかる時間は大体同じくらいである。出航と到着時、変なテーマソングが流れるのは変わっていない。
この行きのフェリーでは、私はなぜか急激に眠くなり、転がって昼寝した。

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後は適当に時間をつぶしていたが、だんだん到着時間が近づいてきて外に出てみたら利尻山がばばーん!と目の前にいた。
そう、昨日サロベツ原野を走っていた時も、ついに利尻山がベールを脱いでくれて興奮したのだった。最初にも書いたが、去年の礼文島の時は3泊もしたのに一度も利尻山をおがむことができなかったのだ。いざ眺めてみるとこんなに近いのに、どれだけ雲が厚かったのだろうか。
利尻島は山が島、島が山。利尻島=利尻山、なのだ。
利尻富士、と称されるだけあって確かにきれいな形をしていた。


0823.3フェリー内の車置き場はこんな感じのパズル状態である

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