<<<北海道車中泊の旅日記・07 積丹ブルーと、神仙沼グリーン
08 羊蹄山ソロ登山
8/28(月) 羊蹄山~長万部~砂原
薄曇りの中、朝5時に起床。
昨日ほどの快晴ではないものの、まずまずのお天気だ。てんくら(てんきとくらすという山の天気予報サイト)の登山指数もA!よっしゃ、と心の中でガッツポーズである。
登山の身支度を整えて、車中泊していた真狩道の駅を後にする。宇宙推しだった昨日の余市の道の駅ほど特徴はないんだけど、細川たかし推しなのかな、トイレに入るたびに演歌が流れてきてなんだかなあ・・・。
そして、真狩道の駅を出発し、羊蹄山の登山口、真狩キャンプ場へ移動する。羊蹄山は4つコースがあり、登りはじめの標高もかかる時間もほぼ一緒ということで、初めての羊蹄山なので一番メジャーな真狩コースを選んだ。持っている本には、真狩コースで登頂してから別のコースで下山、と紹介されていたけど、バスの時間を調べるのも面倒だし、と真狩コースのピストンでいざ、クライミング!スタートは6時。
トイレに立ち寄ったビジターセンターに、割と最近別のコースの登山口付近で熊の目撃情報あり、と張り紙があって、おじけづく。
そういえば熊鈴、持ってないなあ。利尻山の時は二人だったし、そもそも利尻には熊はいないから何も考えてなかったけど羊蹄山は熊、いるんだよなあ、しかもそんなに登山客が多くなさそうなのに、ソロだなあ・・・。
色々考えたあげく、iPhoneで音楽を流しながら登ることにした。
これ結構いいアイディアかもしれない。電池切れの心配があるけど。
羊蹄山は登山ルートの途中に1合目ずつ、目印があるのでつど休憩しやすい。
だんだん標高が上がってきて、6合目から視界が開けてきて下界が見下ろせるようになり、8合目くらいから森林限界に入ってがぜん楽しくなる。私は、森の中を歩くことよりも、標高が高い森林限界より上の景色を眺めながら歩く方が楽しいんだなあ、とつくづく思う。
あと羊蹄山ではリスを10匹くらい見かけた。単焦点で若干広角気味のレンズだから豆粒みたいにしか撮れなかったけど、かわいかったなあ。
リスにはばんばん出会っていいのだ、熊は勘弁してください。
と、8合目から一気に楽しくなって、山腹をトラバースしながらどんどん高度を上げていき、一気に山頂に到着した。わーい!
利尻の時は目の前の鳥居しか見えなかったけど、羊蹄山の山頂はすごかった。
火山の跡で山頂がすり鉢状になっていて、今ちょうど夏だからか、うっすら草が生えていて緑色になっている。千畳敷カールを思い出す。 そしてこのすり鉢の縁をお鉢巡りできるのだ。
反対側のお鉢の縁を人が歩いているのが小さく見える。
こういう形状の山頂は初めてだったので楽しかった。
ただ結構風が強く、途中ストックをしまう岩場もあるので注意が必要だ。
どこが登山道か迷うときは、よく見ると岩にうっすら白いマークが書かれているので、そこを進むとよい。
それにしても、なんでわかりづらい白色なのか。赤とか青の方が目立つのにな、と思いながらお鉢巡りをし、途中の最高地点の、本当の意味での羊蹄山登頂を果たした。
羊蹄山は蝦夷富士と呼ばれているので、利尻と合わせて北海道の富士2冠達成である。 利尻の時みたいに、登頂写真を実況中継でヤマキさんに送りたかったけど、羊蹄山の山頂は電波が入らず、残念。
また真狩コースのピークまでぐるっとひとめぐりし、途中の9合目にある避難小屋に寄り道してトイレを借り、さくっと下山した。
6時から登り始めて、お鉢巡りと休憩を諸々含めて8時間50分程度。真狩コースの山頂までは3時間50分と4時間を切っていたので、なかなかいいペースだったと思う。
利尻山と違って、羊蹄山は避難小屋で宿泊ができるみたいで、朝一番から登れない場合は1泊するのもありかもしれない。
15時くらいに登山口に到着し、靴下を脱いだり靴を履き替えたりしていたら、その辺を散歩していた中年のご婦人が話しかけてきた。
「羊蹄山に登っていらしたの?」
「はい」
「あら、私たち(近くにご主人がいた)も登りたいんだけど、私たちの今の足で登れるかしら?」
「・・・どうでしょうね~・・・」
「お一人で登ったの?まあー、どちらからいらしたの?ええー、東京からフェリーで?まあまあ」
すごいわねえ、と言いつつ去っていった。
さて明日は函館でヤマキさんと再会予定である。
一応18時に予約してあるゲストハウスに現地集合なので別に函館に着くのは何時でもいいのだが、私は何気に函館デビューである。本を見たら、毎日朝市が立っているらしい。というわけで、この日のうちに真狩から移動し、函館まで1時間くらいのところの道の駅に移動することにした。その前に、登山の汗を温泉で流そうと昨日も入った羊蹄山をおがめる真狩温泉に行こうとするも、その日は休館日で非常に残念だった。しょうがないのでニセコ駅の裏にある温泉へ向かう。
ここは日替わりで洋風と和風のお風呂が男女入れ替わるらしく、私が入った日は女風呂が洋風で今までの温泉とはちょっと雰囲気が違って不思議な感じだった。
お風呂から出た時間は18時前くらいで、まだ夕飯には早い。ここのところ毎晩コンビニごはんだったので、この日くらいはさすがにコンビニは避けたい。
途中でなんかごはん屋さん見かけたら入ろう、と出発することにする。
それから函館本線沿いの国道5号線をひたすら南下することになるのだが、この道が超絶長い!
旅の前半で「直進86km」とカーナビに表示されてゲラゲラ笑っていたけど、この日さらにそれを上回る「直進110km」が出てあっさり記録を更新した。
最初110っていう三桁の数字の意味がよくわからなくて、100mってもうすぐなのになんで数字が減らないんだろう?そしてなんでナビ子は何も言わないんだろう?としばらくずっと考えていたのだが、途中で気づいて一人車内で爆笑した。
mじゃなくてkmかい!単位が違った。
そしてこの直進110kmの道のりがかなりつらかった・・・
しょっちゅう「居眠り運転注意、正面衝突の死亡事故多発」って看板が出ているのもうなずける。
ハンドルをまったく切らないまっすぐの道をなん十キロも一人で運転するのは結構きつく、今だから白状するけど途中2回くらい一瞬寝ていた。
ひたすらフリスクを食べて、たまにある信号でアンメルツヨコヨコを塗りまくって何とか眠気に耐える。
その途中、長万部で国道沿いにごはん屋さんを発見!ラッキー!今夜は脱コンビニごはんだ!!
海鮮丼も肉系も割となんでもあるところだったけど、なぜかこの日も注文してしまった、ラーメン。
出てきた濃厚味噌ラーメンは、そこまで期待していなかった分すごくおいしかった。かなりの当たりだった。
ラーメンに元気づけられ、目も覚めて目的の道の駅つどーるプラザ・さわらに無事到着した時はひたすらうれしかった。
iPhoneからFBに利尻山と羊蹄山の登頂日記を書いてから、そのままこてんと寝た。
明日は7時くらいに起きて、函館に移動して朝市だな~などと思いをはせつつ・・・
が、翌朝はとんでもない事件でたたき起こされたのである。